食事のタイミングの重要性
毎日忙しく仕事をしている人にとって、帰宅時間が遅いせいで夕食が遅くなることは大きなストレス。「仕事だから仕方ない」と諦めている人も多いのでは? でも、対策をせずに過ごしていると、体重増加とともに様々な悪影響が体に出てきます。そんな生活を1カ月続けたらどうなるのでしょうか? ◆1カ月で3kg増は当たり前! 私の「ダイエット個別指導サービス」でご相談頂いたある女性は、仕事が忙しい時期になると終電で帰宅するのが当たり前になったそうです。そのため寝る直前に夕食を食べるという生活になってしまい、3カ月で体重が10kg近く増加。平均すると1カ月で3kg弱の体重増加ということになります。 中には、1カ月で5kg増えた人もいます。体重を落とすのは難しいのに、増えるのはあっという間です。寝る前の食事による体重増加の平均は2.6kgで、夜遅い食事がどれだけ体重増加と大きく関係しているかがわかります。 夜遅い食事がなぜ体重増加につながるのか?というと、たんぱく質の一種であるBMAL1(ビーマルワン)というものが関係しています。BMAL1には、脂肪細胞に脂肪を溜めこむ働きがあり、1日の中で量が変化(日内変動)することが分かっています。 その量は、22時~3時頃までが最も多くなるため、この時間に摂取した食事は脂肪が蓄積されやすくなります。反対に最も少なくなる昼間は夜の時間に比べて脂肪に蓄積されにくくなります。 食べてすぐ寝る、ということは、夜遅くに摂取したカロリーが消費されることなく体に蓄積されるということです。早い時間に食べ終えていれば、それから寝るまでの間に体を動かしているのでカロリーもある程度消費されますが、食べてすぐ寝るのでは、そのまま体脂肪として蓄積されるだけです。 また、摂取したものが体脂肪に変換される作用が強く働くのは夜中の2時前後がピークであることがわかっていて、その体の作用が余計に体重増加に直結しているのです。 ◆体内時計のリズムが崩れていると脂肪が燃えにくくなる? また、夜遅い時間の食事は体内時計にも影響を与えます。体内時計とは体のリズムを1日周期で調節している機能のこと。夜になると眠くなる、朝になると体が活発になるという基本的な生活のリズムも、ホルモン分泌や自律神経の働きを整えるのも、全て体内時計のおかげです。 つまり、体内時計が人間の体の働きを正常にしてくれるのですが、夜遅く食事を摂ることでその働きが乱れてしまうのです。そうすると、本来の体の機能が正常に働かなくなってしまい、心身に様々な不調をきたすようになります。 ・脂肪の燃えにくい体質になる ・眠れなくなる ・疲れが取れない ・血圧が高くなる ・便秘になる ・月経サイクルが乱れる ・肌がガサガサになってくる 等の不調をきっかけにして、体重増加や生活習慣病、うつ状態を引き起こします。 実際、勤務時間が不規則な看護師はダイエットで成果を出すまでに時間がかかる傾向にあることが私の「ダイエット個別指導サービス」でもわかっていて、その原因は、体内時計のリズムが乱れていることと何かしら関係しているのだと考えています。 夕食の時間が遅くなるだけで、心身には様々は不調が引き起こされ、それが「痩せられない体質」を作ってしまいます。カラダの機能を理解しておけば、「夜遅くに食べるのはやめよう」と自分を制止する抑止力にもなるでしょう。 ◆どうしても夜遅い食事のときの3つの対策 夜遅い食事をやめるためには、「夜食べるのを我慢する」のではなく、生活サイクルの見直し、つまり時間の使い方を見直すことを優先してください。食べることを我慢するのではなく、食べる時間を早めるためにどうやって時間を上手に使うか?という視点でタイムスケジュールを組んでみてくださいね。 もしどうしても夜遅い食事をせざるを得ないときは以下を心掛けてみましょう。 ■分食 主食のみ早目の時間に食べて空腹対策し、帰宅後やまとまった時間がとれるときにはおかずのみを摂取。夜遅くまで働く女性がこの方法を取り入れて体重増加をとめることができた例は多いです。 ■主食を食べるなら、お米 主食を食べるなら、糖質を多く含むパンや麺類よりもご飯を。更に玄米や雑穀米は食物繊維を豊富に含み血糖値の上昇を防ぐ役割もありますので、尚良しです。 ■脂肪分が少ない野菜メニューを多めに おかずは脂肪分の少ない野菜メニュー中心のもの、特にスープやサラダ、野菜の煮物などがオススメです。 ライフスタイルにあわせて少しの工夫を取り入れてみてください。ただ人間の体のつくり上、夜遅い食事は健康や美容面に良いとはいえませんので、できるところから少しずつ改善をして頂ければと思います。