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食事の知識

2018/09/22
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ちまたには科学的根拠がない健康情報があふれている インターネットの発展もあり、健康に関する情報が入手しやすくなったが、その一方で多くの間違った情報もあふれかえるようになってしまった。はたして、今あなたが信じている健康情報は本当に正しい情報だろうか? 「科学的根拠のない健康情報」とは、一見正しそうな以下のようなものが該当する。 ① 炭水化物は健康に悪く、食べると太る。 ② βカロテンやリコピンは健康に良い。 ③ 果汁100%のフルーツジュースは健康に良い。 これらはすべて間違いと言っていい。 「炭水化物は健康に悪く、食べると太る」という考え方は、実は正確ではない。炭水化物の中にも「健康に良く、食べてもあまり太らない炭水化物」(健康に良い炭水化物)と、「健康に悪く、食べると太る炭水化物」(健康に悪い炭水化物)があるからである(参照「最先端の医学では『白米は体に悪い』が常識だ」)。 「健康に良い炭水化物」とは、玄米、全粒粉、蕎麦のように精製されていない炭水化物のことであり、「健康に悪い炭水化物」とは、白米、小麦粉、うどんのように精製されている炭水化物(砂糖もこれに含まれる)のことである。 βカロテンを含んだ緑黄色野菜そのものは病気の予防に役立つと考えられているものの、緑黄色野菜からβカロテンを抽出しサプリメントとして摂取すると、逆に膀胱(ぼうこう)がんや肺がん(ただし喫煙者に限る)の発症率が高まることが、複数の研究によって明らかになっている。 リコピンに関しては有害であるという研究結果がないだけまだましかもしれないが、抽出されたリコピンを摂取することで病気を予防したり死亡率を下げたりするということを示した研究はない(リコピン摂取によって悪玉【LDL】コレステロールが減ったという小規模な研究が2007年と2013年に発表されたが、実際に脳梗塞などの病気を予防したという研究結果はない)。どのような「食品」を食べるのかが重要であり、それに含まれる「成分」にとらわれてはいけないということを教えてくれるよい例である。 「果汁100%のフルーツジュースが健康に良い」という考え方も正しくない。実はフルーツジュースと加工されていない果物とでは、健康に対する影響が180度異なることがわかっているのだ。 最新の研究によると、フルーツジュースを多く飲んでいる人ほど糖尿病のリスクが高い一方で、果物の摂取量が多い人ほど糖尿病のリスクは低いことが明らかになっている。 果物の中でも、ブルーベリー、ブドウ、リンゴを食べている人では特に糖尿病のリスクが低い。体重との関係においても、フルーツジュースを飲む人ほど体重が増加している傾向がある一方で、果物を食べている人ほど体重は減少していると報告されている。 医師や栄養士が正しいとは限らない 「でも、医者や栄養士がそう言っていたのに……」と思う方もいるかもしれない。専門の資格を持っていると正しいことを発信しているように見えるが、残念ながらそうとは限らない。 医学部ではあまり食事や栄養のことを習わないため、医師は食事に関するきちんとした知識を持っていないことも多い。2008年に行われた調査の結果、アメリカの医学部のわずか27%でしか最低限(年間25時間)の食事や栄養に関する授業が行われていなかったことが明らかになっている。 アメリカの医学部ですら、食事と栄養のことを十分時間をかけて教えていないことが問題視されているのだが、日本ではもっと遅れていると思われる。